植物の芽生えの成長についてもう一つだれでもできる簡単な実験をしてみましょう。

実験1:左の写真のように黒色の光を通さないビデオのケースを対角線上に切り、直角三角形にします。底に脱脂綿を十分厚く敷いてください。植物は根をうまく張れないとうまく伸張しないからです。脱脂綿に十分水を浸み込ませて下さい。ブラックマッペ(もやし豆としてホームセンターで売っています。昔はもやしの生産のためには中国から同じ仲間の緑の豆を使っていたようですが、かって国交を断絶したとき中国の豆が輸入できなくなたためにこのブラックマッペを使い始めました。最近ではまた中国産の豆に戻しているようですが。)がもっとも良い結果が見られると思います。あまりはやく大きく成長しても観察しにくいし、あまり小さくても結果が見えないからです。種子は乾燥するとうまく成長しないので透明のビデオケースを被せ湿度を保ってください。これを窓際において置けば数日で結果が見られると思います。
実験1の結果は最初の写真の通りです。植物は斜めに育っています。暗いと背丈が高くなっています。でも、写真をよく見て下さい。一体、何処が伸びているのでしょうか。最初の豆の位置(子葉)より上(上胚軸)が細長く伸びていませんか。どうしてこんな育ち方になったんだろう。

実験2 大きめのチャック式ビニール袋にリンゴをひとつ入れて、豆を蒔いた 装置を入れて蓋をして下さい。リンゴはエチレンガスというガス上のホルモンを放出します。エチレンの影響を見ます。

実験3 リンゴの代わりにエチレン吸収剤を入れて同じように実験します。
結果は3枚目の写真です。育ち方の傾斜が緩やかになっています。

これらの実験から確かな結果が得られないときは、遠足用のポリのコップに種を蒔きコップの上にリンゴを置いて明るいところや暗いところ(コップを黒く塗っておく)に置いて成長の具合を調べればいいと思います。種は1個とか2個では駄目です。リンゴやエチレン吸収剤の効果は全体に平均的に見て下さい。
植物の成長を調べる(その2)
実験1の結果を予測してみませんか。そのように予測した理由も答えられると良いと思います。でも、正解は実験して初めてわかるものです。
この実験は私の意に反して滋賀県立医科大学の入試問題に出題されました。カイワレ大根とビデオケースの実験ではうまくいかないと思います。ブラックマッペを使って下さい。カイワレ大根を使うなら、容器を小さくしないといけません。
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