教室に1mの虹を作って遊ぶ


 
直視分光器を使って50から60p幅の虹を作る。光路の途中に赤色のセロハンを入れると虹はどのように変わるのでしょうか。全体が赤っぽくなる。赤いところは赤のままで、青いところは紫になる。なるほどと思った。たしかに青いセロハンと黄色のセロハンを重ねると緑に見える。赤と青の絵の具を混ぜると紫に見える。なるほどと思うが、何処が間違っているのだろう。光路の途中に赤いセロハンを入れると虹は赤色だけになる。青や緑の光は消えてしまう。あったものがなくなるはずはない。何処へ消えたのだろうか。黒い紙と白い紙に光を当てると黒い方が早く熱くなる。熱で色が変わる液晶シートの上に黒と白の紙を置いて光を当てれば簡単確かめることができる。初めの虹からスリットを使って、赤と緑の光を取りだして凸レンズで混ぜると黄色に見える。生徒は勝手にやり出して赤と青のセロハンを重ねてフィルターにすると虹が消えてしまうことを容易に発見するだろう。光合成色素を抽出してこの液を光路の途中に入れると虹はどう変わるのでしょうか。液は緑色をしているが、虹が緑色になるわけではありません。青と赤の光が消えてそこが黒くなります。スクリーンは白ですが、光がないところは黒く見えます。この欠けた虹を凸レンズで集めると当たり前ですが再び緑に見える。ちゃんと分かってくれたかどうか分かりませんが、そこそこ楽しんでくれた。この後で水性ペンのペーパークロマトグラフィーと入浴剤のカラムクロマトグラフィーをやるとこの方が楽しいと言った。きっと虹は理解しにくかったのだろう。
  
 ペットボトル浮沈子を作り、左手にペットボトルを握りしめて、加える圧力をうまく調節する。僅かな左手の動きは見えないだろう。右手で浮かぶように念力を送る。沈んでいくようにパワーを送る。浮沈子は念ずるように浮き沈みする。子供達に渡すと同じように念力を送る。一体科学を何年学んできたのだろう。念力でなんか物が動かせるはずはない。そう言ってやるとやっと呪縛から解き放たれる。はじめて自分で考えられるようになる。

この装置を作るのに20年から30年もかかった。でも、最高の装置だ。生徒が思いつくままに実験ができる。東レの・・に応募したが、同じようなものがすでにあるというコメントで切り捨てられた。全く違う。これほど簡単に効果的装置はこれまでなかった。これなら小学生でも実験ができる。光源にLEDランプを使えば、ちょっと違う虹ができる。

サイエンスじゃらんーじゃらん
           本当は ジュクじゃが
アクワイアー・サクラ

-面白い実験でたしかめる生物の不思議-

虹とか吸収スペクトルとか作用スペクトルとか、光に関する現象が教科書に沢山ある。回折格子で虹を作ったりとかプリズムで作ったりとか色々やってみたが、どれも授業で使えるようなものはできなかった。20年以上もかかった。そもそも直視分光器がちょっと高価にすぎるのと、普通、物理室での管理なのがいけなかった。壊れるかもしれないような使い方は許されなかった。プリズムの接着が剥がれてしまった直視分光器をもらって修理して使えるようにした。これで、もともと壊れていたから、好きなように使えた。その気になれば1mぐらいの虹が出せる。けれども普通は20cmもあれば十分だ。生徒たちが思いついたことを好き勝手にやってみられるのが良い。試して欲しい実験の手順を説明しているのにいつの間にか勝手に色々なフィルターを重ねあわせて思いつくままやっている。大抵赤と青のフィルターを重ねると虹が消えてしまうことに気がつく。(きっと紫になると思ったのでしょう。そうはなりません。フィルターを1つずつ確かめているとどうしてなのかすぐわかります。)嬉しそうに報告をしてくれる。話をちゃんと聞けと言ってもまるで気にしていない。

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