視細胞の数が違うわけですから、黄斑に投影された部分は最も明るく、周囲はそれより暗く見えているのかもしれません。脳はそれを同じ明るさに訂正しているのでしょう。全体をちゃんと見るには視線方向を変えて見るしかありません。しかし視線方向を変えると視覚の情報が変わってしまうのでしょう。最初の図では皿の傾きが違って見えてしまう。2台の車の前後を誤って理解すると大変かもしれませんが。けれども、これぐらいのことは間違っていてもそれ程問題じゃないのでしょう。
 取り立てて特別な画像ではありません。普通のお皿です。平面に並べた画像です。網膜にも平面画像として投影されています。けれども脳はこれを立体的構造を持った物として理解しようとしています。視線方向を変えてちゃんと見ようとすると、はっきり見えるようにはなりますが、脳が今まで理解していた物とはわずかに違うものが見えてきます。この画面手前奥へ皿が立体的に傾いて理解していますがその程度が変わって理解されます。これで皿が動き出します。10年以上かかった。静止画像が動いて見える。不思議だった。生徒に見せたら面白がってくれた。こんな錯視画像は誰でも書ける。塗り絵が面白い。生徒にやってみるかって聞いてみた。結構楽しそうだった。が、問題は時間がかかる。ひょっとすると10時間以上かかるかもしれない。教科書で学ぶ知識をないがしろにするわけではないが、大切なことは面白いと思ったらやりきることだと思っている。だんだん動いているように見えてくると面白くなってくるのだろう。お父さんが飾っているっていう生徒がいた。僕はやらないと言っていたのに、「僕もやっても良いですか」って途中から参加してきたものもいた。しかしこれを授業で展開するのはなかなか難しいかもしれない。 

 左はドラえもんとしずかちゃんのシールを前後に配置したシールです。吊るしてある紐を引くことによって前後に動かすことができます。片目を閉じて二人を紐を操作して左右に並べてください。きっとうまくいきません。両眼で見ればすぐわかります。3D画像なら青・赤メガネが有名だ。色セロハンで良い。メガネを作る。色鉛筆、赤と青(水色が良い)2本を持って1cmほど離して円などを描く。メガネで見ると円が飛び出てくる。アナグリフメーカーを使えば普通の画像でも立体画像にできる。。3D動画とか画像は右目と左目の画像を作ってきました。それしかないと信じ切ってきましたが、大きなものはそれでわかるかもしれませんが、壁の凸凹のような細かい立体構造は分かりません。物の表面のような細かい部分の構造は境界線の傾き具合とか明暗の分布とかで脳で判断するしかないのだと思います。
 

 これはネットのオークションで表示されていた皿の画像です。いくらで売られていたのかは分かりません。たぶんアンティークです。切り取って並べました。すべて同じ画像です。中央列と端の列は違って見えるかもしれませんが、全部同じ皿の画像です。中央列は上下逆転させています。さて、しばらく見ていると皿が動いているように見えます。・・・錯視図としては錯視量が少なすぎるかもしれません。が、普通に皿の写真です。
 全部ちゃんと見えていると思うかもしれませんが、見えていません。右上の皿を見てみましょう。赤い四角の粒が書き入れてあります。ここを見ていてください。左下には何色の四角形が書いてあるのでしょうか。右下は?分かりません。視線を向けると分かります。代わりに赤い四角は分からなくなります。網膜にある視細胞は均一に分布しているわけではありません。中央に沢山あります。(網膜が外界と比べると小さいからだと思います)黄斑付近に映っている像はしっかり見えていますが、周辺はきちんと見えていません。適当に脳が判断しています。全体をしっかり見て理解するためには、視線方向を変えながら見て全体を統合して理解するしかありません)
 立体視は左右2つの眼球で見た時の像のわずかな違いで生じる。そう思ってきました。

補色残像は今までの説明では説明できないことが現れてきますが、一体どんな意義があるのか全く意味が私には分かりません。
渦が見える
補色残像
面白い実験でたしかめる生物の不思議