サイエンスじゃらんーじゃらん
           本当は ジュクじゃが
アクワイアー・桜

-面白い実験でたしかめる生物の不思議-

「アクワイヤー桜」 ここは科学実験塾です。 塾生を募集しています

この本は多分もう手に入りません。全国のいくつかの大学、公立図書館にはあります。
 おそらく今までにない実験書になっていると思います。料理のレ・シ・ピのようなものにはしたくありませんでした。思いつくままに気ままに実験をしてきました。生徒たちがやってみたいと言えば、いつでも、やれば良い。実験室は何時でも興味に任せて開放してきました。突然、予定外の新しい実験が始まっても何ら、問題はありません。不完全なところや思い違いもあったりしますが、もはや修正する時間はありませんでした。

この本は街ではもう販売されていません。私の手元に10冊ほどあるだけです。なにか反省するところが多い書物になってしまいました。で、vol.3を書けば良い訳だから、原稿までは書き上げましたが、発行の予定はありません。

                    はじめに  

「面白い実験でたしかめる生物の不思議」(東京図書出版)を読んでいただけた読者に深く感謝しています。私が教えたアジアの留学生は日本で学び、ほとんどは帰国しました。母国の教育や学問の発展に寄与してくれるものと信じています。「国に帰ります。」と報告してくれる学生に「berjumpa sekari lagi」(又、会おう。)と言って別れるしかありませんでした。「頑張りなさい。」と送る言葉は私にもそうしなさいと言うことと同じでした。人には言って、自分はやらない。そんなことは許せないと思いませんか。
こういう意味でこの本は彼らと日本の若い人達に贈る私の言葉の証にしかすぎないかもしれません。厳密なものではありません。すべて実際に実験して確かめたつもりです。それでも誤りがあるだろうと思います。失敗した実験もそのままあげてあります。わけが分からないままになっているものも多くあります。それでも、1つか2つぐらいは参考になる内容があると思っています。
 間違いを恐れることはありません。自分の考えに基づいて努力したらいい。それが自分が生きることだと思います。勇気を持って自分ができることにチャレンジしたらいいと思っています。学校の授業で学ぶことに自信を持てない若い人たちに声援を送ります。自分ができることに頑張ったらいい。植物や昆虫やクモ、ダニこういう生き物たちが実に見事に生きています。多くのクモは巣があって始めて生きることができます。決してテントウムシと同じ生き方はできません。でも、いずれも素晴らしい生き方をしています。
         

平成15年4月27日                       

梶田 高由
                      はじめに
7年前私はマレイシアのマラヤ大学の日本留学特別コースで日本留学予定の学生を教えていました。日本の教科書を使って、日本語と身振りと手振りで教えていました。学生達は大混乱です。私の授業がわかるはずがありません。それでも、学生は信じられないほど一生懸命勉強をしていました。1年かかって何を教えることができたのかを考えると彼らに申しわけない気持ちで一杯でした。
 20名の留学生と共に日本へ帰ってきました。”先生、もうだめかもしれない。私に力を貸してくださいって、神様にお願いするしかなくて。・・”頑張れ。頑張れ。私には声援を送るしかありませんでした。その学生達が立派に日本の大学で学び、研究をして卒業しました。
 知識が全てではありません。少しぐらい勉強ができなくても、学ぶ気持ちがあれば何かができる。私はそう思っています。夢や希望がなくて悩んでいる人。将来が見えなくてどうしていいかわからない人。他人と比べる必要はありませんね。自分として一生懸命やれればいい。若い人達が活き活きと自分の想いを込めて生きることができる社会が理想です。そういう社会を豊かな社会と言うのではないかと思います。
最近、朝日新聞の中坊公平氏の「金ではなく鉄として」を読んでいます。彼が鉄ならば私は鉛だろう。もっと安い。鉄は世界の文明に大きく寄与してきました。鉛はどうしよもない金属のように見えますが、鉛でないとできないことがあります。鉛としてできることを一生懸命やればいい。10年、20年頑張れば立派な鉛になれます。そのとき胸を張って私は鉛ですと言えたら素晴らしいことだと思います。
 この実験書は知識じゃなくて、自分の思いにしたがってやれば、何かが見えてくる。そんな気持ちで作りました。できるだけ専門用語は使わないようにしました。それでも、結構初めての言葉がでてくるかもしれません。暗記する必要は全くありません。植物が屈曲して成長すれば、それをコントールするものが何かあるはずです。そう考えたら何か発見ができます。生物に限らず、何かに勇気を持ってチャレンジ する気持ちを持っていただければ幸いです。最後に、本書の実験について、98%は実際に確認してきました。やっぱり、自信が持てないところもあります。誤りがありましたら、深くお詫び申し上げます。                       平成13年4月1日

                      あとがき

生徒たちに一生懸命頑張ろうって言ってきました。何を頑張るって?自分ができることを10年、20年頑張ったらいい。そう言ってきました。何でもいいけれども、自分はこんなことをやってきたんだということをいつかまとめられるといいね。自分史みたいなものができたら、きっと、素晴らしいことだと言ってきました。
 他人にはそう言って、自分はやらない。そんなことは許せないからこの実験書をつくりました。至らないところが多々あったかもしれませんが、一生懸命頑張ったつもりです。 最後に、私のくだらない実験の話を黙って聞いてくれたり、実験につき合ってくれたりした岐阜県立恵那高等学校の生徒に深く感謝します。受験戦争の最中にあって、こんな実験をしたら、どんな結果になるだろうね。随分、悩ませたこともあったかもしれません。
 受験勉強のため、夜8時ごろまで学校に残っている生徒と暗くなった廊下の片隅でルミノールの発光を見たのを覚えています。気持ち悪いから嫌だと言う人の前に無理やりシロアリを置いて、どうだ。可愛いだろう。可愛いはずはありませんね。お詫びと感謝の気持ちを送ります。
                平成13年8月1日   梶田高由
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ちょっと面白い実験でたしかめる生物の不思議
たいして面白くないー面白い実験でたしかめる生物の不思議