朝開いて夜閉じる人工フラワー


 
タンポポの花は皆知っていることだと思う。私が住んでいる町では少し前までまだ沢山の日本のタンポポがあった。今はきっとすべてがセイヨウタンポポだと思う。好きじゃなかったが区画整理というのがあった。その前はザリガニはもちろん、シジミもいた。多分ヒメボタルだと思うが、糸のような光を放って飛び交っていた。そう言う町が私の故郷だ。ザリガニも、ホタルも、シジミもすべてが消えた。タニシを捕ってくると母親は風呂場で泥抜きをした後食べさしてくれた。里山が日本の誇りだったのは言葉だけだったのだ。格好良い言葉で飾っただけだったのだろう。すんだことだ。自然はもとへ戻ることはないだろう。だからところで、タンポポだ。夜のタンポポの花を見たことがありますか。何人かが花は閉じていますって言った。誰かに聞いたのか自分で観察したのは分からなかったが、私は最近まで気にもしなかったことだ。朝というか9時頃には開いているわけだから、どうやって開いたり閉じたりするのだろうか。チューリップの花も成長しながら同じように開いたり閉じたりする。花びらの内側表面の成長が大きく、外側表面の成長が小さいので開いてくると教科書に書いてある。傾性と言うがそれで何かが分かった訳じゃない。なんかすっきりしない。納得できない。面倒だから障子紙とセロハンテープで開閉を繰り返す人工フラワーを作ってみた。成長なんかしないけれど朝開いて夕方閉じる。花びらには裏と表がある。人工フラワーの花びらにも裏表がある。ギコンバッタン。裏表のある紙は湿度によって反り、湾曲度が違う。重心の位置が変わるとギコンバッタンと運動をする。ハンガリーのサイトで見つけたシーソー。自分でも作ってみたが、最後は面倒になった、水分の補給装置は濡れ雑巾で代用した。格好が悪いからまだ生徒に作らせたことはないが、結構面白い。写真の後ろにあるのは開閉する人工フラワーだ。最初に作ったのは一日で一回開閉する。見ていて面白くない。待ちきれない。数分で一回開閉する人工フラワーを作ってみたかった。何処かの国から最初の人工フラワーの作り方の問い合わせがあった。新しい作品について頑張って下さいって激励してもらったがまだ完成していない。多分そんなに難しことじゃないだろうと思っている。最初の試作品ならその気になれば3日あれば出来るだろう。多分失敗するだろうから、それからどうするか。それを考えると元気が出ない。でも、若い人はそれじゃあ駄目だ。
朝開いて夜閉じる人工の花 たんぽぽかハナカンザシか
湿度変化で動くギコギコバッタン
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           本当は ジュクじゃが
アクワイアー・桜

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