２０１７年４月

今年は例年に無く寒い春だった。今までであれば高校の入学式は４月８日だ。桜は満開のはずだが、６日にもなるが、まだ蕾のままだ。だが、梅は終わった。サクランボの花は終わりかけている。ミツバチは蜜を集めにか、花粉集めなのか。夢中だ。全く私が近くにいることなど丸で、意に介さない。サクランボの花に集まるミツバチを撮影した。ティンバーゲンやカール・フォン・フリッシュが活躍した時代は華やかな注目の生き物だった。あれで、全部わかったように思うかもしれないが、きっと、南極の氷のひとかけらを採取したにすぎないのかもしれない。ミツバチだけではないだろうが、集団で生きる生物は何らかの方法で仲間とコミュニケーションをとる。ミツバチは今ある太陽の方向を基準にして餌場の方向の地図を書く。と言うか、ダンスを踊る。“あっち、あっち”と言っているような踊りだ。垂直の壁の上が今ある太陽の方向だ。飼育をしたことはないから詳しいことは分からないが、ハチの脳はいつそんな力を獲得したのだろう。人間は北極星の方向を基準にしてその方向を上にして地図を書く。さて、皿に蜂蜜を薄く塗りつけておくと、ミツバチが沢山集まってくる。この皿を突然隠してしまう。ミツバチは蜜を求めて飛び回る。近くでダンスを踊るが、八の字ダンスか、円舞なのかは確かめなかった。なんだか“ここだよね”って言っているようにみえる。何が起きているのか疑問に思ったが、そのままになっている。

　クロオオアリというのでしょうか。普通に庭とか駐車場を歩いているありです。誰かがこれを捕獲して太陽が見えないように黒い箱にしばらく入れておく。その後解放すと、巣の方向とは違う方へ行くと言った。ありもミツバチと同じように太陽の方向を基準にして活動しているのだろうか。ふ～む。私は違うのじゃないかと思う。湿ったサキイカをアリの巣の近くに置いておくと沢山のアリが集まってくる。サキイカごとアリを釣り上げて何処か違う位置に移動させる。巣から半径１ｍぐらいなら、間違いなく真っすぐ巣へ帰る。飼育中のアリなら、夜でも、巣から出て活動が出来る。太陽など見えなくてもちゃんと巣へ帰ることができるはずだ。こんなことが出来るのは匂いを嗅ぎ取る触覚しかないと思っているが、他人を納得させるだけのものを持っていない。

　サキイカを小さく裂いて、巣の近くに置いておくとアリが集まってくる。多分、これがこのアリたちの仕事なのだと思う。きっと仕事の分けあいをしていると思う。サキイカを持ち帰らないアリがいるからだ。大抵のアリはサキイカを咥えたら巣の方向へ行く。しかし、よく見ていると反対方向へ一目散に持ち逃げしているように見えるアリがいる。別の遠くの巣のアリだった。咥えたら反対方向へ持ち逃げするのだ。この場所は自分たちの縄張り外だと知っているかのような行動だ。泥棒だ。こんな行動を可能にしているのは触覚しかないだろうって思うが、本当のところは知らない。