ゾウリムシ壮絶な走地性ーこれって走地性?ー
さて、ゾウリムシは本当に重力に反応しているのでしょうか。私は走地性という現象は水圧に対する適応力の結果ではないかと思っています。その証拠は今いくつか持っていますが、確かなものにするのに1年ぐらいはかかると思います.左の結果は普通に言われてきたことと全く違います。重力、水圧、酸素分布、餌の分布などとどんな関係があるのでしょうか。
管瓶中のゾウリムシをビデオ撮影をしてみました。下層部から表層部まで特にゾウリムシの分布に大きな差は見られません。ネームプレートに入れたゾウリムシについても表層に沢山分布しているように見えることもありますが、全体に広がっているようにもみえ、確かかどうか良く分かりません。すくなくとも下層部にも十分沢山のゾウリムシがいました。カロリーメイトで培養したゾウリムシでははっきりとした走地性は確認できませんでした。ただゾウリムシは水の比重より大きいので何もしないと沈んでしまいます。浮かんでいるためには泳いでいる必要があります。これを走地性というならあります。けれどもこれは試験管の上部に集まることとは違います。教科書などから普通に走地性が見られるものと思っていました。そういう試験問題も作っていましたが、ある条件では?というのがはるかに大切でした。
とは言ったものの本当に走地性は示さないなどと言ってしまってもいいかどうか極めて心配です。それならと思って長さ1mほどの管瓶中に入れてみました。数回よくかき混ぜてください。確かにはじめのうちは表層部に集まっているように見えますが、そのうち底の部分にも随分沢山のゾウリムシがいることが分かります。右の上写真と動画。必ずしも表層部に沢山いるわけでもありませんでした。ところで一体ゾウリムシはどれぐらいの水圧に耐えられるのでしょうか。水圧に耐える準備が整ってからだんだん沈んでくるのかもしれません。
 内径4mm長さ1m50cm程のガラス管にゾウリムシ培養液を入れてみました。同じように1日ぐらいは上から底部まで分布していました。ところが3日目になると確かに管の上層部にいました。この管をひっくり返して上下を逆さにすると、ゾウリムシは浮かび上がるように急速に上部へ移動し始めました。これを走地性というのでしょうか。浮かんで行くという感じです。その後このゾウリムシは姿を消してしまいました。死んだのかもしれません。
 ←↓
管瓶の表層部
ゾウリムシの走地性って本当?
内径4mmほどのガラス管に120cmほどになるようにゾウリムシの培養液を入れて管を倒立させて置きました。約12時間後には不思議な分布を示していました。図に示すように上から10cmあたりと下部の2箇所に沢山いました。この2日後には下層部にしかいませんでした。上層部にいた個体は死んだのかもしれません。ゾウリムシの分布は水圧とは関係ないかもしれません。けれどもこれは重力とも関係ないことを示しています。なお、はじめから下部にしか分布しないことが普通でした。最上部に気泡を入れておいても結果は変りませんでした。
ゾウリムシは重力に反応して行動すると言われています。試験管にゾウリムシを入れておくと上部に集まってくると言われています。教科書にもそう書いてあります。しばらくゾウリムシと遊んでみましたが、本当かどうか疑問に思っています。ゾウリムシは走電性をし示し、陰極に集まると言われています。これは確かに見事に反応します。しかし走地性となるとどうも確かな証拠が見られませんでした。
1mの管瓶の底にも沢山いました・
面白い実験でたしかめる生物の不思議
次へ
戻る
トップへ
かげ口
管瓶の下層部下部の白いものはゾウリムシの集団です。