山崎青樹著 「草木染 ???」「買いませんか」と言って本屋が持ってきた。f〜m。面白そうだと思ったが、随分高価だった。草木染の見本だ。実物付きだから高いわけでもないだろうが、素人には高すぎる。定価は23,000円。悩んだ結果止めた。むかしのことだ。そのまた昔アカネを山へ採集に行って、これが日の丸だと思って、染めてみた。実に見事に染まる。タデアイの種をもらったり、買ったりして、藍染めにチャレンジもした。実に綺麗に染まる。なんで染まるのか分からないが、面白いと思った。学生時代に錯体の研究をしている友達がいたから、分からないが、面白いと思えた。・・・。何気なく古本屋に行った。この本があった。7,000円だった。これでも高価だったが、買うしかないと思った。タマネギの皮とかアカネや藍など有名な染料は素人でも綺麗に染まる。染まるとは一体どういうことなのだろうか。?????青木淳一著 「土壌動物学」って本を学生時代なけなしの10,000円で買った。読みも開きもしなかった。鍋に白菜やナスキャベツを入れて落し蓋をする。そこにコップを立ててその上にこの本と広辞苑を置く。数日すると一夜漬けが出来た。こんな利用のしかたしかしなかった。教員になってから初めてこの本を開いた。結構、読んだ。20年近くは毎朝土を採集してきてササラダニを中心に調べ、飼育して卵や若虫を調べてきた。草木染の本もそんなもんだろう。いつか紐解くだろうって思ってきたが、もう齢をとりすぎた。役に立たない。
 が、昔、授業に使った。藍染めが中心だ。なんで染まるのだろうか。まだ納得できていないが、それなりには説明した・絞り染め、板染め。こうなると科学じゃないが、まあええじゃないか。たいてい、タコひもを使う。強く縛り付ける。「先生、僕はこれはできません。」どういう意味か分からなかった。が、きっと、紐が結べないのかもしれないと思った。だから「輪ゴムでかまいませんよ。」、て言った。「こうするとここが染まるよね。ここは染まらないね。」やらないって意味かと思ったが、まじめにやり始めた輪ゴムで良いって言ったのにタコ糸を一生懸命縛っていた。見事に輪になって染まった。もう一枚やりたいって言ってきた。もちろんOKだ。いくつになってもできないと思っていたことができると嬉しいものだ。ままうまくできて授業が終わった。「これで終わります。ありがとうございました。」次の授業の準備のために後片付けをしようと思ったら、彼は僕の前で気を付けをした。どうしたんだって思った。「ありがとうございました。」ってぴょこりと頭を下げた。準備が面倒だったが、やってよかった。植物色素はアントシアンとかカロテノイドを除いて生物の教科書にはどこにも書いてないが、良いじゃないか。けれども、教育って本当は自信をもって努力していく力を養うことだろう。クイズ番組を学ぶような学習のしかたではどうしようもない。ついでに、染色の科学的なメカニズムは分からなくても膨大なサンプルを作ればそれだけで科学に近づく。ウェジウッドは大量のサンプルになる陶器片を焼いたらしい。けれども、もう、この会社は倒産したが。しかし、ウェジウッドは間違っていなかったと思っている。イギリスで買ったシュガー入れとコーヒーカップがあって、時代の移り変わりを寂しく見つめている。でも、大切な心は何時の時代も同じだと思いたい。長い間教員をしてきたが、こんなふうに「ありがとうございました」って言ってもらったのは初めてだった。中身が分からないPCは何時までたっても好きになれない。何か簡単な設定を変えようとするとカタカナがいっぱい出現して、変えたら元に戻せないかもしれない、・・・・で数日かかることがある。ITとAIに強くなれないと世界戦略に負けるかもしれないが、でも、アナログでも負けない生き方はないだろうかって思っている。クロロフィルに光を当てると蛍光を発するが、それ以外にも蛍光を発する色素がある。一度どんなものがあってどんな意味を持っているか調べてみたいと思っていたが、そのままだ。藍の植物体内での働きはよく知らない。ひょっとすると生体内の重要な器官の酸化防止なのだろうかって思っているが、・・・

面白い実験でたしかめる生物の不思議