体罰かあ。分からない。けれども、親は子に対して躾と称して体罰を行ってきた。私も何回もあったと思う。尻を叩かれたこともあったように思うが、たいてい縛り付けの刑だったと思う。宙づりの刑はしっかり覚えている。落ちたらどうしようかとは考えたけれども、この程度で謝る気は全くなかった。泣き叫びながら抵抗したが、どちらかが勝利したことはなかったと思う。勝敗なんか全く無意味な世界だ。私が悪かったんだろうが、理由は何も覚えていない。刑期はせいぜい1時間だ。謝らんでも、頑張れば終わりだった。絶対もう話なんかするもんかって、口をきくものかって決意したはずなのに、1時間もすれば全部忘れていた。何で一緒に自転車に乗っているのか分からなかった。後ろから腰に抱きついている自分がいた。
体罰を勧めたりするものではないが、30年もの教員生活の中で一度だけ思いっきり往復平手びんたをしたことがある。ある朝のことだった。非常勤の女性教諭が真剣な顔でやってきた。いつでもにこやかな優しい先生だ。どうしたのだろうって思った。随分厳しい顔だった。身構えた。学校行きのスクールバスの中で痴漢にあったと言われた。犯人は生徒であることは明白だった。
青ざめて生徒はやってきた。私の形相も普通じゃなかっただろうと思う。
「今日登校途中、何かありませんでしたか。」
「何もありませんでした」
「そんなことはないだろう」
「バスの中でだよ」
彼は震え始めた。「すみませんでした」
「どうしてなんだ」「昨日テレビの深夜放送でやっていました。僕もできるかもしれないって思いました。それで。」この事件を明るみに出せば私は彼に退学を迫るしかないだろうって思った。新設校だった。隠せば今後発覚すれば、私の責任を問われるだろう。被害女性教諭は「私は大人です。ことを大きくすることは望みません。ただ見過ごすことは生徒のためにならないと思って・・。」私はこの先生の言葉に甘えることにした。もう一度彼にチャンスを与えてやりたかった。
私は先輩の忠告を思い出していた。何があっても生徒を叩いたら駄目だ。バイクの窃盗事件があったらしい。先輩はこの生徒を学校に残すつもりで思いっきり殴ったらしい。訴えられた。「生徒なんかどうでも良いから、自分の身を守れ」って言われた。忠告は十分承知していた。けれども、何もなかったことにはできない。初めて殴る決心をした。初めての人間は相手を傷つけることがあることは知っていた。耳には特に注意した。平手だ。彼は震えていたが、「馬鹿者おー」、往復びんた。「もう良い。戻れ」って言った。
彼がもう一度何か事件を起こせば、このことは明るみに出るだろう。その時は私の責任を問われるに違いない。そんなことは分かっている。訴えられれば体罰について謝罪するしかないだろうが、それでも、そうでしたか、君でしたかですませることができることではなかった。
体罰は出来ればしない方が良いだろうが、私にはよく分からない。叩かれたり、縛られたりもしたが、ただ親には感謝しているし、尊敬もしてきた。彼は無事学校を卒業していったが、それで良かったのかどうか分からない。
教育委員会と校長会は一斉に体罰の全面禁止を宣言した。もっとも昔からそうだったけれど。改めて言うのだろう。けれども、この体罰事件が発覚したのだから、きっと容認してきた者がいるのだろう。教育にある程度の体罰が必要だと考えてきた教育者がいたのだろう。けれども、今、体罰を肯定する全くそんな意見は出てこない。議論をしないで一斉に右へ倣えというわけだろう。通達というやつだ。これで解決出来たとは思えませんが。
高等学校には退学という処分がある。指導が不可能であれば退学させればすむ。けれどもそんなことはあり得ない。学校から排除すれば良いなどと考えるなら日本の学校とは言えません。
子供の本に迷路を抜け出るもやしの実験があった。余分な光を遮断するのは結構面倒だ。あまり凝った迷路を作ると思い通りの結果にならない。それより迷路の途中にある葉は黄色だ。この方が面白い。けれども、人間、迷路にこだわっていると葉の色の違いなんかには気がつかないで終わる。
サイエンスじゃらんーじゃらん
本当は ジュクじゃがアクワイアー・桜
エチレンガス、迷路を抜け出るもやし 思ったよりうまくいった。
種はもやし豆が最適だ。斜めに切断したVTRケースに下に濡らした脱脂綿を敷いてそこに種を蒔いておく。
数日すると見事に斜めに育った。何でだろうって疑問がわく。
全体をビニール袋に入れてリンゴを入れておくと何だこれはっていう結果になる。リンゴが原因だろうが、どうしてなんだろうね。
-面白い実験でたしかめる生物の不思議-
滋賀県立大学医学部看護学科の入試に出題されたが、事前にも事後にも何ら連絡はなかった。受験参考書の赤本から電話があった。掲載させて欲しい。ついては500円の謝礼金を払いますだって。ウンともスンとも言わなかったが、掲載されていた。子供じゃあるまいし。種だってそれぐらいはかかる。何処かの参考書会社が使わせて欲しいと言ってきた。確かに了承した。けれども、その後何の連絡もなかった。出来たら1冊や2冊見本を送ってきたらどうかと言ったら、丁寧なお詫びのメールが届いた。数冊と1万円送ってくれた。なんでもボランティアみたいな世の中だが、無賃で済ますなら結構なブラックだと思います。