酒を燗をする家電です。目的外使用になります。発火には十分注意してください。周りに燃えやすいものは絶対置かないようにします。ひと肌に温度コントロールをしているので発火はしないと思いますが、大きい金属製鍋などに入れておくといいかもしれない。酒の代わりに水を入れますが、毎日水を補給します。ペットボトルを切って卵をガーゼの上に置いて、入れて温める。

ニワトリの卵は普通20日ほどでヒヨコになります。けれどもどの卵でも同じぐらいでヒヨコになります。ちょっと不思議です。が、親鳥が絶えず体温で暖めるからです。体温がどの個体もほぼ同じです。人の赤ちゃんは十月十日で生まれるといいますが、全員体温がほぼ同じだからです。さて、ヒヨコにするには3つのことが必要です。@保温 ニワトリの体温は人より少し高い。38度から40度ぐらいで温めれば良いと思います。A湿度を保つ。B転卵 絶えず卵を回転してやらないと胚がからに引っ付いてしまいます。
 エジソンではありませんが、孵化させてみたかった。
有精卵が手に入る所をまず探した。新しいものでなくてはいけないと思った。(けれども、途中で気がついた。卵細胞が生きていれば良いわけだ。細胞は室温ですぐ死ぬわけではない。器官が形成されたヒヨコとは違います。多分一週間やそこらは大丈夫だと思います。)はじめは宗教団体の農場へ買いに行った。が、ちょっと大変だった。講話をしばらく聞いてからしか買えなかった。そのうちひよこ屋と言うか、孵卵場をみつけた。実験に使いたいからと言ったら、お金はいらないと言われた。ただだった。数回お願いしたと思うが、そのうち”つがい”を貸しましょうって言われた。この子たちなら絶対大丈夫。そんなことを言われても学校へ持っていくわけにはいかなかった。最後にお礼に栗きんとんを一折り持ってい行った。高い卵になったかも知れないが、それでもありがたいことだった。
 が、しばらくして鳥インフルエンザが九州で発生した。孵卵場へ接近することができなくなってしまった。仕方がないのでメールで購入できる所を探した。ここは指定した日に宅配便で届けてくれた。孵卵場に実験室を作って子供たちに命の授業をしたらどうかって提案した。が、時代は難しかった。会社は生き残るのに必死だった。多分。この会社は昔は教育研究助成金制度を運営していたと思う。
 保温3日とか4日なら大抵うまくいくと思います。少しぐらい温度が下がっても、器官が出来るまでなら死なないと思います。少し大きくなると温度が下がるとヒヨコが死ぬように死にます。転卵は一時間ごとが理想ですが、最悪、朝、昼、夕刻の3回でもなんとかなるかもしれません。
 

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有精卵は時々スーパーで売っています。田舎の道の駅なら大抵あります。こんな卵で本当に良いのだろうかって思いますが、細胞は生きています。大丈夫です。ヒヨコは温度が下がると簡単に死んでしまいます。けれども、器官ができていない卵細胞は死にません。

ついでに三匹ほどヒヨコが生まれた。生徒たちが刷り込みの実験をするんだと言って、いろいろやっていたが、これはという結果にはならなかった。さて、ヒヨコは大きくなったが、どうしたものか。学校で飼えば良いって、無責任なことを言うものもいたが、結局、幼稚園が引き取ってくれた。鳥インフルエンザがまだ問題視されていなかった頃だ。今はもうだめだ。幼稚園も小学校も多分ニワトリのような危険な生き物は飼ってくれないと思う。けれども、本当に危険なのでしょうか。

受精卵、有精卵をしばらく水平に置いておくと胚になる部分が上に来ます。直径2cmぐらいをメスで何回も傷を付けて、切り取る。

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ここでは白身を少し周りに塗りつけて糊の代わりにして、パラフィルムを貼り付けました。

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