春になってモンシロチョウが飛び交った。優雅に風に舞うように、舞い上がりながら、飛んだ。蝶になりたいと言う人がいるかもしれないが、でも、モンシロチョウは生きることに必死なんだろう。子供を残すことに必死なんだろう。遠足にでもいけば、温かい太陽の温もりの中に小さな紙切れが舞うように絡み合いながら流れていくのだ。ちょっと手を伸ばして捕まえてやろう。そうゆう邪悪な心が湧いてくる。大抵は捕まることはなかった。けれども、極稀に手に入っていることがある。どうしようかと思う。ちょっとだけ遊んで、そうっと、放してやると、また舞い上がるように風に吹かれって行った。もうちょと遊んでやっても良かったかもしれないと思ったものだ。
 これも昔のことだ。モンシロチョウには紫外線が見える。紫外線を見ながら飛んでいると何かの本で読んだ。花は中央から紫外線を反射して、蝶を呼んでいるらしい。メスのモンシロチョウは翅で紫外線を反射してオスを呼んでいるらしい。そうなんだ。結構長い間そうなんだとだけ思ってきた。第4原色。人間には見えない世界なのだ。
 最近あまり見ないが、昔、電球型のブラックライトがホームセンターに売られていた。蝶と紫外線の世界を見たくなった。電球のガラスを切り取って、ビデオカメラの前に置いて蝶の見る世界を見てみようと思った。酸化亜鉛のオシロイの粉は紫外線を反射する。紙に描いて置くとモンシロチョウが寄って来るかもしれない。やってみた。ふ〜む。本当かどうかちょと迷うことはあるが、そう思えば、そう思えた。たいして画期的にはならなかった。これ以上興味は沸かなかった。ところが最近ソーラームーブバタフライと言う製品に出会った。蝶は動く偽蝶に完璧に騙されて飛んでくる。やっと少し満足ができた。紫外線だけじゃない。振動しなくちゃいけない。心の隅にはあったが、放置しておいた。少しだけスッキリした。それで何か役に立つのかと誰かが言う。・・・。
 人間には見えない世界と言えば、匂いの世界かも知れない。小学生の頃から、何も進歩していないような気がする。犬が見る匂いの世界はどんなだろうって思っている。今日まで分からないままだったものが、コンピューターの発達で味や匂いのシュミレーションが可能になってきているのだろうって思う。

 注意 グーグルクロームでは再生されないことがあるので、このファイルは動画からアニメーッションに編集しなおしています。そのため、贋バタフライが動いていないように見えますが本当は激しく振動しています。

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今日の一枚 第67回 モンシロチョウは紫外線を見る