所さんの目がテンという番組があった。トンボは下から光が当たるとそこでひっくり返って飛ぶ。その様子が放映された。上下がわからないと飛行が出来ないのだと簡単に信じてきた。やってみたいという生徒がいた。この学校は全員掃除じゃなかったので、掃除の時間に実験室で暗幕を張って試してみた。見事にひっくり返ったが、しかし釣り糸に通すのはやや苦労をした。トンボの背にストローを接着すれば良いと簡単に思った。しかし、瞬間接着ではストローを接着出来なかった。ストローの素材とトンボの背の素材がいかにも違いすぎた。困ったが、麦(実際はイネ科植物の茎の乾燥物)のストローを使えば簡単だった。トンボは逆さになって飛んだ。
 てんとう虫が棒を登っていきます。先端にたどり着くと羽ばたいて飛んでいきます。この時てんとう虫は上へ背を向けています。重力の方向で上下を認識しているわけではありません。明るいほうが上です。さて、てんとう虫が葉の裏側を歩いています。背は下を向いています。???。ひっくり返っていても平気なんだ。あたりまえだから今まで全く疑問に思わなかった。が、考えてみれば不思議なことだ。きっと脚が離れた瞬間、上下認識のスウィッチが入るのだろう。明るい天に背を向けるのだろう。それが進化の過程で脳が獲得した昆虫の飛行のシステムなのだろう。だから、夜は飛べない。メダカは夜でも上下がわかると思う。浮袋があるから。だから夜でも泳げるが流れがあると流されてしまう。見えないから。だからメダカは夜は流れがあまりないところで体をより付けるようにしているしかないだろう。
 

面白い実験でたしかめる生物の不思議 

今日の一枚 第52回 トンボは下から光を受けるとひっくり返る

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