青い光で先端が良く湾曲することが分かります。屈光性は先端が曲がり、植物体が傾いて終わります。高等学校なら多分どこでもやれます。波長(色)によって光のエネルギーがちょっと違うので不安はありますが、あまり気にしないで実験してみてください。この実験を高等学校で可能にするのに30年ぐらい掛かった。

面白い実験でたしかめる生物の不思議 

東山魁夷という日本画家がいた。すごい画家です。皇居の壁画や唐招提寺の襖絵を描いた。中学生のころ夏休みの宿題で絵を描きに行った。向こうの方から浮浪者がやってきた。肩越しに魁夷の絵を覗き込んで、「画家にでもなるんか。」「画家になんかなるもんか。食っていけないもの。」「人間が食うためにだけ生きているんか。食うためだけなら、犬や猫だってやっている。」魁夷は愕然としたと言っている。夢は向こうからやってくる。浮浪者は夢かそれとも夢の使者だったのかもしれない。こういう者は探すと逃げて行くかもしれない。隠れてしまうかもしれない。自分が出来ることを、一生懸命やることだ。面白いと思えることに頑張って努力することだ。そうすれば、夢は自分からやってきます。自分でも出来ることを1020年頑張ったら良い。知らないうちに自分にしか出来ないことに変わっていると思います。
 若いとき彼は悩んだ。魁夷が画家で生きることを決めたのは随分遅かったらしい。賞をもらった時は喜んでくれるはずの家族はすでにいなっかったと書いています。これほどの人でも若い時は悩んだ。私たちは悩んで当然だ。けれども面白いと思えることに頑張ったら良い。栗の木を1本育てることが出来れば、きっと夢や希望は向こうからやってきます。遅くなりましたが、卒業おめでとうございます。君たちとの出会いは素敵でした。いつでも応援しています。

 国道19号線沿いに「東山魁夷心の旅路館」がある。ここに教え子が一人学芸員(市の職員かも知れないが、私は学芸員だと思っている)として働き始めた。無料開放の時にこっそり立ち寄った。何年ぶりだろう。受験がうまくいかないで寂しそうに廊下を歩いている顔を覚えている。第2志望の大学へ進学して、卒業してから一度だけやってきた。楽しくやってます。そう云う報告だった。その大学近くの美術館の学芸員になったようだったが、故郷へ帰ってきた。すぐ分かった。同級生は来るのかって聞いた。「 来ない。なんで?」 芸術をも大切にする人達であって欲しいと思っていたから、残念だった。

今日の一枚 第43回 屈光性と屈光性の作用スペクトル

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