第13回 シロアリの道しるべフェロモン

アクワイアーサクラ:さいえんすじゃらん

実験1 直径12cmほどのろ紙に100円玉大か500円玉程度の円を黒ボールペンで書いてください。円の中央にシロアリを10匹程置いてください。なおシロアリは枯れ木をひっくり返してみれば発見できると思います。水槽に枯れ木と一緒にいれておけばいいと思います。湿らせたろ紙を入れておけば、ろ紙の下に集まってきます。これでシロアリだけ沢山捕まえることができます。
@色、Aろ紙の凹み、Bポールペン中の化学物質 他にも考えられますか。 

実験2 @、A、Bのどれが正しいのでしょうか色々なペン、色で実験してみましょう。 
とっぷう
実験4 シロアリにこの行動を起こさせる化学物質がきっとボールペンのなかにあると思いませんか。実験3からその性質が少し分かりました。色はありません。ヘキサンに溶けるけれどもエチルアルコールにはもっとよく溶けます。では物質を取り出してみましょう。試験管にエチルアルコールを3mlほど入れます。ボールペンを切って入れてください。アルコールに溶け出てきます。ヘキサンを数ml入れてください。そこへ多量の水を加えてください。2層に別れてきます。上がヘキサンです。透明です。けれどもこの液中に目的の物質がはいているはずです。この液で円を描いてシロアリがどんな反応をするか調べて見ましょう。

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気持ち悪いわねえ。でも、食べられるかしら

エチルアルコール
ヘキサン
と水↓
実験3 ヘキサンを展開溶媒としてボールペンの成分を円形にペーパークロマトグラフィーに掛けてみます。展開溶媒をアルコールにするとどうなるでしょうか。
ヘキサンの層
結果は簡単です。線にそって歩きます。どうしてでしょうか。考えられることをあげてみてください。
実験5 シロアリがこれと同じ性質の物質を持っていることが証明できれば完璧ですね。シロアリから抽出してみましょう。乳鉢にほんのわずかエチルアルコールを入れます。シロアリを数十匹入れてすりつぶしてください。このすりつぶし液で円を書いて中央にシロアリを置いてください。
ボールペンの成分とシロアリが出す物質が全く同じものだとは言えませんが、シロアリはこのような化学物質を頼りに行列を作っていることがわかりました。それではシロアリはこの物質を体の何処かで調べているはずです。何処でしょうか。実験でたしかめて下さい。
水とアルコールとボールペンの色素