根の屈光性は本当にあるのか。

 地表近く地中に蒔かれた種子は、そのまま固定されて発芽していくように、疑問も持たないで、信じてしまいます。けれども、そうではありません。種子は土壌粒子中に浮かんでいます。茎が何かの刺激で運動すると根も動いてしまいます。今まで一方向から植物体全体に光を当てて生育させてきました。これでは茎が運動すると根もその影響を受けてしまいます。根だけに光を当てて育てないと本当のことは分からないと思います。

面白い実験でたしかめる生物の不思議

メダカ飼育水槽の上部に金網を置く。 鹿沼壌を敷くといいだろうと思う。発芽し始めた種子を並べる。茎の部分には光が当たらないように遮光カバーをかぶせる。根はふつう水中へは伸びていけないので下部にのみ水を入れて、空気の泡を出して湿度を上げる。根は湿度100パーセントの空間を伸長していく。カイワレ大根の根について言えば、一瞬光と反対方向へ曲がるように見えることもあるが、そう見えないこともある。結局、根はらせんを描きながら伸びていく。

金網

根は空間を伸びていく

水、泡をだす