-面白い実験でたしかめる生物の不思議-

サイエンスじゃらんーじゃらん
           本当は ジュクじゃが

a             アクワイアー・桜

コガネグモのクモの巣に霧吹きで水をかけた画像です。縦糸(画像では横に現れます。)と横糸(画像では縦に現れます)に着いている水滴をよく見て下さい。クモが対峙している中央付近の糸につく水滴はどうでしょうか。

水滴がある一定以上の間隔になって初めて、全体の表面積は元よりも小さくなります。

このような状態が安定になるため、クモの糸の上にみられる水滴は

ある一定の「臨界間隔」以上できれいに並んでしまうというわけです。

表面積だけを考えるこの理論では、水滴の臨界間隔は

元々円柱状に考えていたときの円柱半径の4.5倍と計算されます。

半径と間隔の図示です。尚体積比等は実際のものと異なります。

この美しい芸術に、昔から多くの物理学者が挑戦してきたようです。

糸の上の水の安定性にほかの効果(圧力差など)を考えることでベルギーの物理学者プラトー臨界間隔がもっと長いこと(元々の半径の2π倍になること)を初めて示しました。この問題に終止符を打ったのはノーベル物理学賞受賞者であるレイリー卿彼の理論では臨界間隔は元々の半径の9.02倍です。もちろん、正確な値がわからなくても、おおよその原理は理解できますしその美しさは揺るがないのも事実です。・・・」

とっぷう

そもそも、クモの糸を釣り糸のようなまったく均一なものとして計算して求めた結果は正しいはずがありません。縦糸や中央部の糸にはほとんど水滴はついていません。ここは粘球がついていません。

粘球は普通顕微鏡で観察します。粘球の間隔を測定したことはないのでよく分かりませんが、水滴が並ぶ間隔と同じかも知れません。

クモの糸は釣り糸のようなのっぺらぼうの糸ではありません。虫を引っ付けて捕獲するように、粘着性の粘球が付いています。

しかも、粘球は結構規則正しく一定間隔に付いています。多分この間隔はくもの大きさによるのだろうと思います。

「・・省略・・しかし、雨のあとすぐは糸全体にべったりついていた水が、巣の主を含め

誰の手も介さずに自然とこのようにきれいに並ぶのは、いったいなぜなのでしょうか。

左はクモの巣を白色アクリル板に貼り付けて取り、ニンヒドリンで発色させたクモの巣を接近して撮影したものです。多分粘球が発色しているのだろうと思います。

クモの巣をアクリル板かOHPのシートに貼り付けて、チョークの粉々を振りかけると概ね横糸だけが点々と見えるようになる。雨上がりの水滴のつき方とよく似ている。

上は東京大学サイエンスコミュニュケーションCASTの「雨上がりのくもの巣のお話」から抜粋しました。本当でしょうか。なるほどと思いますが、ちょっと考えなおしてみましょう。