鮎の養殖場を見たことがありますか。今でも昔と同じかどうか知りません。が、昔私が見た養殖場では稚鮎はすべて皆同じ方向へ回転して泳いでいました。回転して泳いでいるって言うのは多分間違いです。同じ方を向いていましたと言うのが正しいのかもしれません。水をゆっくり回転させているのでしょう。何もしなければ流されてしまうのでしょう。流された分だけ泳いでいるのでしょう。その場に止まりたいのでしょう。

 橋の上から水の流れを見ていると、浅瀬をウグイなのか魚の群れが上流の方を向いて泳いでいました。流れに逆らって上流の方へ泳いでいます。泳いでいると言うと上流の方へ進んでいるのかと思うと、それは違います。ほぼ同じあたりで流されないように泳いでいます。流れに逆らって泳ぐなら、流れの上流に竹の魚籠を仕掛けておくと魚が入ってくるような気がしますが、残念です。魚はその場に止まりたいだけです。籠には飛び込みません。

 水槽にメダカが数匹泳いでいます。水槽の上には循環式の水のろ過装置が付いています。さて、メダカは皆同じ方を向いています。水槽内に水の流れが出来ているのでしょう。水の吸い取り口の方へ尾を向けているはずです。夜はどうしているかって私は観察したことがないから知らないが、多分流れがないところに隠れていると思います。

 風神とか言う強風を作る装置があります。時々芸能人が遊んでいます。風速40mとかの体験機です。風の方にお尻を向けると頑張りが効かず、吹き飛ばされてしまいます。進むなら風の方を向いて体を前に倒して進むしかありません。たいていの人は同じ姿勢を取ります。強い風に吹かれた経験があるのでしょう。人間の走風性とでもいうのでしょうか。

 急流を横切っています。これはちょっと不安定です。ひょっとしたら流れに流されるかもしれません。流されないようにするなら大抵の人は同じ姿勢を取ると思います。流れの方に体を向けることです。流れを背に受けると後ろへ進むのは得意じゃないから、下流へ簡単に流されてしまいます。流されるのは嫌です。こんな人の姿を見ていると、人には走流性があるって言う人があっても良いと思う。

 バケツに魚を入れて水を掻き混ぜて一方向へ水流を作ると魚は流れに逆らった姿勢を作ります。流れの方向に体を向けると簡単に流されてしまいます。泳げないことはありませんが、普通は後ろ泳ぎは得意じゃありません。

 風が吹いています。蜂が飛んでいます。蜂は多分後ろへは飛べないと思います。もっとも確かなことは知りません。後ろ向きに飛ばせたことはありません。きっと風が吹いたら吹いてくる風の方向を向くしかないと思います。そうしないと風に乗って何処までも飛ばされてしまいます。それが嫌なら飛行を止めてどこかにへばり付くしかないと思います。

 

走流性

新しいHP

走流性について

 メダカは正の走流性を示す。これは本能行動です。って言ってしまえばそれまでです。教科書にはそう書いてあります。もっとも最近はなんだか定位行動などと言っていますが、それで?って思います。普通の動物の普通の行動だと思います。動物は一般に前に動きます。後ろへも動けますが、ちょっと下手です。刺激の方向へ体を向けないと、抵抗が出来ません。